サービス付き高齢者住宅(サ高住)とは

サービス付き高齢者住宅(サ高住)とは、介護支援の必要がない自立生活が可能な高齢者のための入居施設です。サ高住では基本的に安否確認サービス、生活相談サービスのみが受けられます。

サ高住は、有料老人ホーム等の介護施設とは異なり、あくまでもバリアフリー等の高齢者向けの対応がなされた賃貸住宅という位置づけになります。


サービス付き高齢者住宅(サ高住)を取り巻く環境

要介護高齢者の増加

日本の高齢化は世界に類をみない速さで進行しており、団塊の世代が75歳以上となる2025年には高齢化率(65歳以上人口が総人口に占める割合)は30%を超えると言われています。

この高齢者人口の増加を背景に、介護保険の対象となる要介護(要支援)の高齢者数も増加を続けており、2000年に介護保険制度が開始時の218万人から、2016年には630万人と約3倍まで増加しています。さらに、2025年には800万人を超えると言われる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるため、要介護(要支援)の高齢者は今後も急速に増加することが見込まれています。

さらに、サービス付き高齢住宅(サ高住)の潜在顧客となる要介護(要支援)に限定しない65歳以上の高齢者数は、2012年の3,058万人から2015年の3,395万人と増えて続けており、さらに2025年には3,657万人、ピークの2042年には3,878万人を超えると言われています。


介護給付費の急激な膨張

このような要介護高齢者数の増加に伴い、2000年の介護保険制度が開始時には3.6兆円だった介護給付費は、2016年には9.6兆円まで増加しており、2025年には21兆円にまで膨張することが見込まれています。

このような中で、年金・医療も含めた社会保障制度の持続可能性が問われており、国の厳しい財政事情からも、介護給付費の抑制が喫緊の課題となっています。


サービス付き高齢者向け住宅制度の創設

2011年当時、特別養護老人ホームの待機者数や有料老人ホームの利用料の高さから入居を躊躇する高齢者の存在が問題となっており、これらの介護施設の受け皿となる高齢者向け賃貸住宅が必要であると言われていました。これのような問題認識を受けて、201110月に高齢者住まい法が改正され、サービス付き高齢者向け住宅制度が創設されました。それ以前にも、高齢者向け賃貸住宅としては「高齢者専用賃貸住宅 (高専賃)」、「高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)」、「高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)」などがありましたが、利用者からみた違いがよく分からないという批判もあり、2011年の高齢者住まい法の改正以降はサ高住に一本化されました。


施設数の増加と入居率の低下

上述の経緯で創設されたサービス付き高齢者向け住宅は、介護施設の待機者の受け皿とするという方針の下、国からの補助金が出たこともあり、2011年の1123,448戸から2017年には6,668218,195戸と爆発的に増加しました。この結果、施設間の入居者獲得競争が激化し、入居率は低下傾向にあるといわれています。

相続税対策のためにサ高住を建設する土地オーナーやこれを煽る建設会社の存在により、サ高住の数は今後も増え続けると予想されており、今後も、施設間の入居者獲得競争や賃料の値下げ競争は激しさを増すと考えられます。


介護報酬のマイナス改定

介護給付費の抑制が叫ばれる中、2015年度の介護報酬改定はマイナス2.27%2006年のマイナス0.5%の改定以来、9年ぶりのマイナス改定となりました。ほぼすべての介護サービスの基本報酬が引き下げられ、その中でも、サービス付き高齢者住宅については、併設又は隣接する事業所からの訪問系の介護サービスについて減算される改定がなされました。

また、2018年の介護報酬改定においても、介護報酬の大幅な引き下げが行われると予想されています。


介護人材不足

介護業界は賃金水準が低く、また肉体労働や夜間勤務など労働環境が過酷であるため、好況期の売り手市場になると、人材確保が一気に難しくなります。また、施設間の介護資格保有者の争奪戦も激しさを増しており、苦労して採用してもすぐに辞めて転職してしまうという離職率の高さも問題になっています。さらに、人手不足からくる派遣ニーズの高まりにより派遣社員の時給が上昇してきています。

このように介護人材不足に起因して、募集・採用コストの増大、派遣社員コストの増大等のように人件費が膨らむだけでなく、十分な人員が集められないため入居者数を絞らざるをえず入居率が低下してしまうという悪循環が起こりつつあります。

サービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームやグループホーム等の介護施設に比べると人員要件は相対的に緩やかですが、今後、人員不足の問題は確実にサ高住にも波及してくると考えられます。


サービス付き高齢者住宅(サ高住)のM&Aの現況

 上記のように戸数が爆発的に増え競争が激化しつつあるサービス付き高齢者住宅業界ですが、今後の高齢者数の増加を考えると潜在的な市場は非常に大きく、既存事業者による新規開設や異業種からの新規参入が活発です。

一方で、競争激化や将来的な介護報酬の引き下げを考えると、数棟程度の小規模経営では生き残れないと危機感を抱き、業績が堅調なうちに他社への売却を決断する経営者様も増えてきています。

現在、サ高住については、売り手よりも買い手が多い売り手市場になっているため良い評価が付き易い環境にあり、売却を考えている経営者にとってはベストの売り時になっているといえます。


サービス付き高齢者住宅(サ高住)の売却のメリット

各当事者にとって、サービス付き高齢者住宅(サ高住)のM&A・売却・譲渡は以下のようなメリットがあります。

売り手

✓後継者問題が解消できる
✓創業者利益を得てアーリーリタイアできる。
✓借入金の個人保証を解消できる
✓ブランド力や施設間の人材融通により人材確保が容易となる
✓大手の傘下で長期安定的な経営ができる

買い手

✓未提供の介護サービスの獲得ができる
✓未進出地域へスムーズに進出できる
✓有資格者を一括で確保できる
✓立ち上げ期間の赤字を回避できる
✓規模拡大によるスケールメリットを享受できる
✓介護事業への新規参入が容易となる

従業員

✓雇用・処遇が維持される。
✓教育制度が充実する
✓買い手の大組織の中でキャリアアップの機会が得られる。 

利用者

✓今までと変わらず介護サービスが利用できる。


インテグループが選ばれる理由

インテグループでは、全国のサービス付き高齢者住宅(サ高住)のM&Aを支援しており、サ高住の売却・譲渡・買収を検討する多くの経営者様より高いご評価をいただいております。インテグループの強みは、以下の3点です。

1.完全成功報酬制

着手金を取らない完全成功報酬制のため、サ高住のM&Aが成立しない場合でも手数料だけ取られてしまうというリスクがありません。

2.サービス付き高齢者住宅M&Aの専門性と実績

サ高住の売却・譲渡について豊富な実績を有しており、また、実際の売却に際してはサ高住のM&Aに精通した専任コンサルタントが支援します。

 3.中堅中小規模のサ高住M&Aに特化

売上1億円~20億円程度のサ高住のM&A支援に特化しており、中小規模のサ高住のM&Aについて豊富な経験とノウハウを有しています。

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 サービス付き高齢者住宅(サ高住)業界のM&A事例紹介

サービス付き高齢者住宅業界における直近の主要なM&A事例は以下のとおりです。

時期 当事者 スキーム 概要
2022年

【売り手】

穴吹ライフサポート

 

【買い手】
四国ビジネス

株式譲渡 四国ビジネスは、高松市でサービス付き高齢者向け住宅や介護事業を運営する穴吹ライフサポートを買収した。本買収により、社会のニーズに応える事業を展開し、地域社会への貢献を目指す。
2021年

【売り手】

ライフサポート

 

【買い手】
ミアヘルサ

株式譲渡 ミアヘルサは保育事業やサ高住等を運営する介護事業を展開するライフサポートを買収する。本買収により、介護事業と保育事業における事業運営のノウハウを活かし、グループとしてシナジー効果の発揮を目指す。
2020年

【売り手】

東京建物シニアライフサポート

 

【買い手】
SOMPOケア

株式譲渡 SOMPOケアは、東京建物シニアライフサポートの全株式を取得することに合意したと発表した。東京建物シニアライフサポートは首都圏でサ高住、有料老人ホーム等を19か所運営している。SOMPOケアは今回の買収を含め、介護サービス事業に関する取組みをこれまで以上に強化・加速していくとしている。
2020年

【売り手】

アーバンアーキテック

 

【買い手】
ワイグッドケア

事業譲渡 老人ホーム、介護施設運営のワイグッドケアは、アーバンアーキテックからサービス付き高齢者向け住宅3施設を事業買収する。ワイグッドケアは関東でサ高住などを13拠点展開しており、スケールメリットによる全体のサービス向上を図るとしている。
2020年

【売り手】

恵の会

 

【買い手】
ソラスト

株式譲渡 ソラストは、デイサービス、有料老人ホーム、サ高住を運営する恵の会を2020年3月19日付で買収した。当該M&Aにより、ソラストはこれまで事業所がなかった大分県で総合的にサービス展開することが可能になる。
2017年

【売り手】
川商アドバンス

 

【買い手】
ワイグッドホールディングス

株式譲渡 ワイグッドホールディングスは、関東でサービス付き高齢者住宅・訪問介護ステーションを運営する川商アドバンスを買収した。
2017年 【売り手】
SCホールディングス【買い手】

日本産業推進機構

株式譲渡 日本産業推進機構は、関東を中心にサービス付き高齢者住宅及介護付き有料老人ホームを展開するSCホールディングスを買収した。
2016年 【売り手】
エブリー【買い手】

元気な介護

株式譲渡 北海道を中心に介護事業を展開する元気な介護は、大阪府においてサービス付き高齢者向け住宅を運営するエブリーを買収した。当該M&Aにより、大阪地域に進出する。
2014年 【売り手】
エス・ピー・エー【買い手】

学研ココファンホールディングス

株式譲渡 学研ココファンHDはサービス付き高齢者住宅の運営を行うエス・ピー・エーを買収した。当該MAにより、拠点開発スピードの加速を図る。
2013年 【売り手】
エムシーエス【買い手】

カメイ

株式譲渡 カメイは、大阪で調剤薬局、サービス付き高齢者住宅事業を展開するエムシーエスを買収した。当該M&Aにより、大阪地域での介護事業の強化を図る。

インテグループの成約実績

以下は、インテグループがお手伝いした直近のサービス付き高齢者住宅の売却事例の一部です。

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サービス付き高齢者住宅(サ高住)の買収希望情報

以下は、サービス付き高齢者住宅(サ高住)の買収希望情報(買い手ニーズ)の一部です。

No. 希望地域 予算上限 希望条件
1 関西・中国地方 10億円 小規模でも検討
2 全国 5億円 不問
3 関東・関西の都市部 10億円 40室以上
4 東京・千葉・神奈川 1億円 小規模でも検討
5 関西 1億円 デイサービス併設
6 神奈川県藤沢市周辺 50百万円 50室以上
7 兵庫県 10億円 100室以上
8 首都圏・大阪・兵庫 20億円 40室以上
9 全国 10億円 小規模でも検討
10 宮城県仙台市 2億円 不問
11 全国の政令指定都市 30億円 50室以上
12 埼玉県 5億円 不問
13 関東・中部・関西・宮城 30億円 40室以上
14 静岡県 40百万円 30室以上
15 全国 50億円 50室以上
16 西日本 20億円 不問
17 首都圏・静岡・愛知 10億円 不問
18 大阪府堺市 3億円 小規模でも検討
19 首都圏 10億円 20室以上
20 大阪・兵庫 3億円 小規模でも検討

サービス付き高齢者住宅の買収希望情報一覧はこちら

サービス付き高齢者住宅(サ高住)のM&Aニュース

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インテグループはサービス付き高齢者住宅(サ高住)のM&Aについて、豊富な実績と専門性を有しています。サ高住の運営会社、またはサ高住施設の売却をご検討中の経営者様は、電話又は以下の問合せフォームよりお問合せください。

弊社は完全成功報酬制を採用しており、M&Aが成立しなければ手数料は一切いただきませんので、ご安心ください。

また、「今すぐではないが将来的な売却も視野に入れている」「とりあえず、自社の売却見込額が知りたい」ということでしたら、無料で企業価値算定をさせていただきますので、こちらもお気軽にお問合せください。