訪問看護とは
訪問看護とは訪問看護ステーションから、病気や障害を持った人の自宅等の生活の場へ看護師等が訪問し、看護ケアを提供するサービスです。訪問看護には、介護保険による訪問看護、医療保険による訪問看護、自費による訪問看護があります。
介護保険に基づく訪問介護は、主治医により訪問看護が必要と判断された人のうち、65歳以上で要支援・要介護と認定され人、または40歳以上65歳未満の16特定疾患患者でかつ要支援・要介護と認定された人が対象になります。
訪問看護を取り巻く環境
要介護高齢者の増加
日本の高齢化は世界に類をみない速さで進行しており、団塊の世代が75歳以上となる2025年には高齢化率(65歳以上人口が総人口に占める割合)は30%を超えると言われています。
この高齢者人口の増加を背景に、介護保険の対象となる要介護(要支援)の高齢者数も増加を続けており、2000年に介護保険制度が開始時の218万人から、2016年には630万人と約3倍まで増加しています。さらに、2025年には800万人を超えると言われる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるため、要介護(要支援)の高齢者は今後も急速に増加することが見込まれています。
訪問看護ステーションの増設方針
上述のように急速な高齢化が進む中で、自宅での看護の望む高齢者が増えていることを背景に訪問看護ステーションの役割が以前にも増して求められています。この社会的要請を受け、国の方針として2020年までに9,000ヶ所の訪問看護ステーションを設置することが目標として掲げられています。
看護師不足
このように訪問看護事業の必要性が高まる中、多くの訪問看護ステーションが人材確保に苦しんでいます。そもそも病院勤務の看護師の不足が叫ばれている環境下で、訪問看護師はその病院勤務の看護師よりもさらに人手不足が深刻だと言われています。このため、訪問看護事業所は慢性的な看護師不足に悩まされており、その結果、募集・採用コストの増大、派遣社員コストの増大等のように人件費が膨らむだけでなく、十分な人員が集められないため利用者数を絞らざるをえず売上が低迷してしまうという悪循環が起こりつつあります。
訪問看護のM&Aの現況
訪問看護事業者は、まだ中小零細規模の会社が多く、M&Aの対象となる規模(年商80百万円以上)の会社は多くありません。
ただ、訪問介護事業を全国展開するセントケア・ホールディングスが、東京都内に訪問看護事業所を9か所展開しているミレニアを子会社化した事例や、調剤薬局チェーンのメディカルシステムネットワークが東京都練馬区で訪問看護事業を運営するひまわり看護ステーションを買収した事例など、介護事業者や調剤薬局チェーンが介護・調剤・看護・医療の連携を目指して、M&Aにより訪問看護事業に参入するケースも出てきており、訪問看護のM&Aは増えつつあります。
現状、近接業種からの訪問看護事業者の買収ニーズは強く、一定規模の訪問看護会社を中心に、今後も訪問看護のM&Aは活発に行われていくと考えらえます。
訪問看護売却のメリット
各当事者にとって、訪問看護のM&A・売却・譲渡は以下のようなメリットがあります。
売り手
✓後継者問題が解消できる
✓創業者利益を得てアーリーリタイアできる。
✓借入金の個人保証を解消できる
✓ブランド力や施設間の人材融通により人材確保が容易となる
✓大手の傘下で長期安定的な経営ができる
買い手
✓未提供の看護サービスの獲得ができる
✓未進出地域へスムーズに進出できる
✓有資格者を一括で確保できる
✓立ち上げ期間の赤字を回避できる
✓規模拡大によるスケールメリットを享受できる
✓訪問看護事業への新規参入が容易となる
従業員
✓雇用・処遇が維持される。
✓教育制度が充実する
✓買い手の大組織の中でキャリアアップの機会が得られる。
利用者
✓今までと変わらず看護サービスが利用できる。
インテグループが選ばれる理由
インテグループでは、全国の訪問看護のM&Aを支援しており、訪問看護の売却・譲渡・買収を検討する多くの経営者様より高いご評価をいただいております。インテグループの強みは、以下の3点です。
1.完全成功報酬制
着手金を取らない完全成功報酬制のため、訪問看護のM&Aが成立しない場合でも手数料だけ取られてしまうというリスクがありません。
2.訪問看護M&Aの専門性と実績
訪問看護の売却・譲渡について豊富な実績を有しており、また、実際の売却に際しては訪問看護のM&Aに精通した専任コンサルタントが支援します。
3.中堅中小規模の訪問看護M&Aに特化
売上80百万円~20億円程度の訪問看護のM&A支援に特化しており、中小規模の訪問看護のM&Aについて豊富な経験とノウハウを有しています。
M&A無料相談・お問合せ
介護事業の売却又は買収を検討中の方は、お気軽にお問合せください。
訪問看護業界のM&A事例紹介
訪問看護業界における直近の主要なM&A事例は以下のとおりです。
時期 | 当事者 | スキーム | 概要 |
---|---|---|---|
2021年 |
【売り手】
【買い手】 |
TOB | CHCP-HNは、訪問看護を中心とした在宅医療サービスを展開するN・フィールドに対する公開買付けを行った。当該M&Aにより、病院・調剤薬局と一般訪問看護事業者の連携を促進し、訪問看護プラットフォームの構築を目指す。 |
2020年 |
【売り手】
【買い手】 |
株式譲渡 | チャーム・ケア・コーポレーションは、訪問看護を含む人材派遣・人材紹介を手掛けるグッドパートナーズを買収した。当該M&Aにより、質の高い派遣人材を確保することを目指す。 |
2018年 |
【売り手】
【買い手】 |
株式譲渡 | みらかホールディングスは、東京都で訪問看護事業を展開する集い介護センターを買収した。当該M&Aにより、既存事業である介護関連事業とのシナジー効果を見込むと同時に、ニーズの高まる地域包括ケアの中枢を担う訪問看護事業等へ参入する。 |
2017年 |
【売り手】
【買い手】 |
株式譲渡 | センコーグループHDは、大阪府内でデイサービス及び訪問看護ステーションを43カ所運営しているビーナスを買収した。当該M&Aにより、センコーHDは既に運営している住宅型有料老人ホームとの連携を図り、介護事業の業容を拡大する。 |
2017年 | 【売り手】 ミレニア
【買い手】 |
株式譲渡 | 訪問介護のセントケア・ホールディングスは、東京都内に訪問看護事業所を展開するミレニアを子会社化した。当該M&Aにより、グループ内での連携やノウハウの共有化を進める。 |
2016年 | 【売り手】 ひまわり看護ステーション
【買い手】 |
株式譲渡 | 調剤薬局チェーンのメディカルシステムネットワークは、東京都練馬区で訪問看護事業を運営するひまわり看護ステーションを買収した。当該M&Aにより、訪問看護事業に参入する。 |
2012年 | 【売り手】 セイジュン
【買い手】 |
事業譲渡 | 在宅医療マッサージ事業を全国に展開するフレアスは、セイジュンが都内において展開していた訪問看護事業の事業譲渡を受けた。当該M&Aにより、訪問看護事業に新規参入する。 |
2011年 | 【売り手】 リハワークス
【買い手】 |
株式譲渡 | ココカラファインは、東京都府中市において訪問看護事業を展開するリハワークスを買収した。当該M&Aにより、調剤事業とのシナジーの高い訪問看護事業の拡大を図る。 |
訪問看護の買収希望情報
以下は、訪問看護の買収希望情報(買い手ニーズ)の一部です。
No. | 地域 | 予算 | 希望条件 |
---|---|---|---|
1 | 全国6大都市 | 150億円 | 年商3億円以上 |
2 | 神奈川県横浜市 | 1億円 | 小規模でも検討 |
3 | 東京23区内 | 1億円 | 不問 |
4 | 愛知県名古屋市 | 50百万円 | 不問 |
5 | 東京、神奈川 | 10百万円 | 小規模を希望 |
6 | 首都圏、中京圏、関西圏 | 3億円 | 不問 |
7 | 神奈川県 | 50百万円 | 不問 |
8 | 奈良県及び近隣 | 20百万円 | 社員10名以下 |
9 | 東京、群馬、埼玉 | 1億円 | 年商1億円以上 |
10 | 関東 | 50百万円 | 不問 |
11 | 全国 | 3億円 | 不問 |
12 | 関東 | 3億円 | 小規模でも検討 |
13 | 首都圏 | 10億円 | 不問 |
14 | 全国 | 5億円 | 小規模でも検討 |
15 | 首都圏 | 8億円 | 小規模でも検討 |
16 | 千葉県 | 10億円 | 不問 |
17 | 関西圏 | 70百万円 | 不問 |
18 | 首都圏、大阪、広島、北海道 | 3億円 | 小規模でも検討 |
19 | 東京、九州 | 2億円 | 不問 |
20 | 関東、関西、中部 | 10億円 | 年商60百万円以上 |
訪問看護のM&Aニュース
- 2018.11.22大東建託が訪問看護・訪問介護運営会社を買収
- 2018.10.01みらかホールディングスが訪問介護運営会社を買収
- 2017.10.11センコーグループHDが大阪のデイサービス・訪問看護運営会社を買収
- 2017.04.14セントケア・ホールディングスが訪問看護運営会社を買収
- 2016.06.03メディカルシステムネットワークが訪問看護会社を買収
- 2012.01.11在宅医療マッサージのフレアスが都内の訪問看護事業を買収
- 2011.12.02ココカラファインが都内のデイサービス・訪問看護会社を買収
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