実績11 介護施設に注力するため、福祉用具レンタル事業(売上80百万円・大阪府)を売却
売却対象事業
事業内容 | 福祉用具レンタル |
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地域 | 大阪府 |
売上規模 | 約150百万円 |
売却理由 | 事業の選択と集中 |
買い手企業
事業内容 | 介護全般 |
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売上規模 | 約1,000億円 |
買収目的 | 規模の拡大 |
スキーム | 吸収分割 |
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概要 | 売り手企業は、福祉用具レンタル事業から事業をスタートし、有料老人ホームへと業容を拡大した大阪府の介護事業者であった。地域に密着したサービスと地道な営業により福祉用具レンタル事業は一定の規模まで成長し、安定した収益源となっていた。しかし、近年では福祉用具レンタル事業について他社との競争が激しくなり、福祉用具レンタル事業の売上は1億円を目前に伸び悩んでいる状況であった。一方で、後から参入した有料老人ホーム事業については、住宅型有料老人ホームから特定施設への変更申請も受理されるなど、今後の事業の発展性が見込まれており、売り手企業の経営者は施設介護事業に資金と人員を集中させ、より延ばしていきたいという思いを抱えていた。 そのような状況の中で、福祉用具レンタル事業については売上1億円弱程度の小規模経営では将来的に生き残ることはできないと判断し、福祉用具レンタル事業を売却し、将来の発展が見込まれる有料老人ホーム事業に経営資源を集中させることを決断した。 買い手企業は、福祉用具レンタル業界における大手企業であり、規模拡大のために過去にも多くのM&Aを実施していた。売り手企業の営業エリアが、買い手企業が1年前に買収した福祉用具レンタル事業の営業エリアと近接していたことから、当該買収によるシナジーは高いと評価し、提案当初より本件に強い興味を示した。 売り手は、今後有料老人ホーム事業において行う設備投資を確保するため、福祉用具レンタル事業の売却金額としては高めの金額を希望していた。買い手企業側は、重点営業エリアにおけるシェアを確保するという観点から、同事業を他社に買収されることは避けたいという事情もあり、相応の好条件で提示を行った。本案件については、複数社が興味を示す中で営業エリアに強い親和性があった2社が競り合う形となり、その結果、最も良い金額を提示した買い手企業が最終交渉先として選定された。 M&Aのスキームは、事業譲渡ではなく吸収分割が選択された。福祉用具レンタル事業は既存契約者の数が多く、事業譲渡を選択した場合の再契約の手間や顧客のロスを防ぐべく、吸収分割が利用されるケースが増えてきている。 本件では、買収意欲が強い2社が条件面で競り合ったこともあり、プレミアムが付いた金額でM&Aが成立することとなった。 当該M&Aにより、売り手企業は従業員を施設介護事業に異動させ人員体制を整えることができたともに、施設介護事業への投資資金を確保することができた。 |